動詞完全マスターへの道!動詞について理解するための準備編【ここで差がつく!文法解説シリーズvol.4】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
英文を作るとき、主語と動詞はどんな英文にも欠かせない要素です。
日本語でも主語と述語が必要なのと同じように、英語も主語と動詞がなければ文として成立しないのです。
主語は「誰が」にあたる語で、動詞はその主語が「〜する」動作や「〜である」状態を述べるときに必要な語です。
英語でも日本語でもこの主語+動詞(述語)があれば、最低限の文として成立します。
したがって、文を作るにあたり、動詞はとても重要な要素なのです。
主語はその動作を行う人物を表す名詞を置くのでシンプルなのですが、一方で動詞については特に注意が必要です。
動詞についてうまく使いこなせなければ、当然ちゃんとした英文を作ることもできません。
その人が何をするのか・したいのかが伝わりませんので、言いたいことを相手に伝えることもできないのです。
さらには英文を読むときですら、その機能を理解していなければ正しく読み取ることもできないかもしれません。
文に欠かせない要素ということは、それだけ文の中できわめて重要な役割を持っているため、英語力上達には欠かせないのです。
今回は、英文を組み立てる上で重要な動詞について、基礎の基礎となる大事な知識をお伝えします。
1 動詞の基本的な働き
動詞は基本的には主語の後に続くもので、主語とともに英文の中で欠かすことのできない要素です。
動詞は「〜する」という人の動きを表したり、「〜である」という状態を表したりする働きを持っています。
英文の動詞は日本語の述語にあたるもので、日本語も述語がなければ文が終わらないのと同じで、英文の中に動詞がなければ何が言いたいのかわからない不完全な意味の英文になってしまうのです。
動詞が変われば意味も変わるので、単語の意味もしっかり覚えていくことも大切です。
したがって、英単語を覚えるときは、その単語が動詞としてどんな意味を持っているのか、どんなシチュエーションで使われるのかなどを意識しながら覚えていくといいでしょう。
2 動詞の形を変化させるもの
主語は英文の先頭に置くだけでいいのですが、動詞に関してはただ置くだけではいけません。
動詞は形を変えなければならないのです。
動詞がそのままの形で用いられることの方が少ないくらいですので、「動詞は形を変えるもの」という認識を持って、その変化に慣れていくといいでしょう。
動詞を変化させるもの、つまり動詞を使うときに注意すべき部分が2つあります。
以下の2点に注目しましょう!
① 主語は誰を指しているかに注目
主語は動詞の形を変化させるもののうちのひとつです。
特に現在のことを表す動詞については、その動詞の前に置かれる主語が以下の3つのグループのどれに当てはまるか注目してください。
主語が(1)と(2)に当てはまる場合、動詞の形は特に変化させる必要はありません。
一方で、(3)に当てはまった場合は、次にその数にも注目してください。
その主語が2人や2つ以上(複数)なら動詞の形は変えなくて構いません。
しかし、1人または1つ(単数)だった場合は、動詞の形を「動詞の最後にsまたはesをつけた形」に変えなくてはならないというルールがありますので注意が必要です。
上の3つの英文はそれぞれ「リンゴが好き」という部分は共通していますが、主語が「私」「あなた」「私の姉」とそれぞれ異なる英文になっています。
3つ目の「私の姉」が主語の英文の動詞にだけsがついていますよね。
「私の姉」は、「私」でもなく「あなた」でもない人物ですので、先ほどのグループの(3)に当てはまり、さらに人数は1人(単数)なので、動詞の最後にsをつけなければならないという英語のルールが適用れるというわけです。
このように、動詞を置くときは常に上の赤い枠の中に示した3つのグループを思い出すようにしてください!
そして、そのうちのどれを指す言葉なのかをしっかり見極めて形を決めるようにしてくださいね!
② 「いつ」なのかに注目
日本語でその動作を「いつ」おこなったかを表したいとき、述語部分を変化させて表しますよね。
例えば、「私は朝ごはんを食べます」なら、「今から食べる」もしくは「習慣として食べている」という意味になります。
「私は朝ごはんを食べました」に変わると、今ではなく過去のことについて述べているとわかります。
このように、日本語では文の最後の述語を「〜します」「〜しました」と変化させることで、表したい「時」を変えることができます。
英語も考え方は同じです。
日本語の述語にあたる部分は、英語では主語の次に置かれる動詞です。
その動詞の位置にくる語の形を変化させて、その動作や出来事が「いつ」起こったのかを表します。
このように、その英文が「現在」「過去」「未来」などいつの話なのかは、動詞の形を変化させたり、または動詞に何かを付け足したりして表すことができます。
あまり知られていないのですが、実は大学入試センター試験や私立大学入試などにおいて、文法問題として出題される頻出項目のベスト3の中にこの「時の表し方」が含まれているのです!
つまり、動詞と「時」の関係を基礎からしっかりと理解することは、これからの大学入試に向けた受験勉強に直結するのです!
日本語と異なるところもありますので最初は少し難しいかもしれませんが、「その英文の内容はいつの話のことなのか」を表すのが動詞の形であることが理解できていれば大丈夫です。
まとめ
はじめにもお伝えしたように、どんな英文でも必ず主語と動詞がなければ文として成立しません。
英文を読み書きするときや聞いたり話したりするとき…
全てにおいて動詞の使い方が正しくなければ、正しい意味が読み取れなかったり、相手に正しく伝わらなかったりします。
しかし逆に考えると、動詞を使いこなせるようになれば、英文を正しく読み取ることができ、英作文や英会話の上達にグンと近づくことができるということなのです。
これから数回にわたって動詞について解説しながらまとめていきたいと思いますので、ひとつひとつをしっかりと理解して動詞をマスターしていきましょう!
簡単なように見えてとても多機能なitの用法【ここで差がつく!文法解説シリーズvol.3】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
おそらく知らない人はいないというくらい簡単な単語のitですが、中学校で初めて習うときは「それ」と訳すように教えられましたよね。
itよりも前にすでに登場したものが2回目に出てくる時はitに置き換えられますので、何かの名詞の代わりとなる働きを持っており、代名詞と呼ばれています。
この代名詞のitですが、実は「それ」と訳されないことも多く、勉強する側にとっては大変混乱しやすく、やっかいな語なのです。
さまざまな役割や用法があり、英文中でしょっちゅう見かけるitですが、裏を返せばそれだけ使い勝手が良いということです。
つまり、itをマスターしておけば、長文を読むとき、文法問題を解くとき、英作文を書くときなど、いろんな場面で応用が効くということです。
今回はそのitのいろいろな用法についてまとめていきたいと思います。
1 代名詞の基本用法
会話や長文において、一度登場した単数名詞や数えられない名詞を受けてitに置き換えることができます。
英語は同じ語を繰り返し使うことを好みませんので、itを活用することで繰り返しを避けることができ、なおかつ長くなってしまう英文もスッキリさせることがです。
上会話文において、itはthe writer’s new novelを指していますが、それを2回続けると文が不必要に長くなってしまいますよね。
話している人がお互いわかっているので繰り返す必要はありません。
itに置き換えることで、文がスッキリするのが分かりますよね。
記述式長文問題の中に、「itが指すものを本文中から探して日本語で答えなさい」または「本文中から英語で抜き出して答えなさい」というような問をよく見かけます。
このitを見抜くには、前後の英文の流れをしっかり掴むことが大切です。
国語の問題でも指示後の内容を問うものがあると思いますが、考え方はそれと同じです。
itよりも前に出てきていて、そんなに遠い位置にないものの名詞から、itが指しているものを見つけてください。
2 主語になるit
itが主語となって登場する場合がいくつかあります。
単純に先程の会話文のように、前に出てきた名詞を指している場合もありますが、それ以外にもitを主語にしなければならない場面がいくつかあります。
これらのitは「それ」と訳すことはなく、文の形や調子を整えるだけの目的でitを主語に置きます。
① 時を表すit
曜日・日付・時刻などの時を現したいとき、itを主語にして英文を作ります。
② 天候・明暗を表すit
晴れや雨の天気や寒さ・暑さなどの気温、屋外の明るさ・暗さを表す時は主語がitになります。
③ 距離を表すit
距離について述べるときも、主語はitにします。
3 形式的に置かれるit
このitも「それ」と訳すことはありませんが、先程と役割が異なります。
① 形式主語のit
「〜すること」と訳すto不定詞のまとまりが主語に置かれる場合、文の主語部分が非常に長くなってしまいます。
例えば、「若いうちにたくさん本を読むことはとても重要だ」という英文を作るとします。
主語は「若いうちにたくさん本を読むこと」ですので、それを主語にして英文を作ると下のようになります。
しかし、主語というのは文の頭部分であり、その部分が大きく(長く)なってしまうと、カッコ悪い英文だとみられてしまいます。
それを避けるため、大きくなった頭部分を丸ごと後ろに置き、空いてしまった主語のスペースに代わりのitを置くのです。
どうですか?スッキリして見えますよね。頭は小さく、体は大きく…英語もスタイルが良い方が好まれるということですね!
そのitは本来の主語がいなくなってしまった代わりに置かれたもので、形式的に置かれただけのitなのです。それを「形式主語」と呼びます。
それに対し、後ろに回されてしまった本来の主語のまとまりは「真主語」という名称で呼びます。
これらの文法用語は、参考書や長文の解説などでもよく見られる用語ですので、ぜひ覚えておきましょう。
② 形式目的語のit
先程の形式主語のitと同じような考え方で、「〜すること」と訳すto不定詞のまとまりが目的語の位置に置かれる場合、文の目的語部分が非常に長くなってしまいます。
そうなるととても読みづらい英文になってしまうため、目的語の位置には代わりにitを置いて、本来の目的語は後ろに回します。
これが形式的に目的語の位置に置かれるだけのit、つまり「形式目的語」と呼ばれるitです。
ただし、この形式目的語のitは第5文型SVOCの英文でのみ登場しますので、使われる場面が限られています。
それでは「1人で海外旅行に行くことは難しいと分かった」という英文を作ってみましょう。
findは、後ろにO目的語C補語(名詞か形容詞)を置くと、「OがCだとわかる」という意味を作ります。そのOの部分にto不定詞が来ると、このようになります。
どこまでがOの目的語で、どれがCの補語なのか、なんだか分かりづらい英文ですよね。
そこで、先ほどと同じ手順で目的語をitに置き換えて、本来の目的語のまとまりを後ろに回してみましょう。
どうでしょうか?この英文の方がSVOCがはっきりと読み取れて見た目もスッキリし、先程より分かりやすい英文になりましたね。
形式目的語は一見複雑なように感じてしまうかもしれませんが、第5文型を作る動詞の中でもfindの動詞と組み合わせて登場することが多く、他にはthinkやmakeとともに使われます。
thinkと形式目的語の組み合わせた例文を見てみましょう。
thinkは後ろにO目的語C補語(名詞か形容詞)を置くと、「OはCだと思う」という意味を作ります。
動詞の意味が変わっただけで、基本的な構造は変わっていませんね。
makeの動詞との組み合わせは後ほど紹介します。
主にこのfind, think, makeの3つの動詞との組み合わせですので、形式目的語には実はそれほどバリエーションもないのが特徴です。
上で取り上げた例文が理解できていれば、あまり困ることはないと思います!
★itを用いた構文
さて、ここからが差がつくポイントです。今回は構文を取り上げたいと思います。
itが用いられた構文の中で、今回の内容に関連したものがいくつかあります。その中で覚えておきたい構文をご紹介します。
考え方の基本は変わりありませんので、これまでの内容が理解できていれば、すんなり理解できるはずです!
It takes + (人)+ 時間 + to + 動詞の原形
「(人が)〜するのに(時間が)‥‥かかる」
何かをするのにかかる時間を表す英文を作りたい時に使えます。
これも時を表すitが主語になっている構文で、動詞は「(時間が)かかる」の意味を持つtakeを使います。
itは三人称単数の主語ですので、現在のことについて述べるときはtakesの形にすることを忘れないようにしましょう。過去形だとtookになります。
また、動詞の後ろに人+時間を並べ、最後にto+動詞の原形を続けるという語順になることがポイントです。
私自身、この構文を覚えるとき、「イットテイクスヒトジカントゥーフテイシ」と呪文のように何度もとなえて覚えました!
呪文のように繰り返すと意外と頭に残るのでおすすめします!
また、この構文を疑問文にして使うと、海外旅行のときに使える便利なフレーズが出来上がります。
itが主語でtakesが動詞なので、doesを使った疑問文となります。
そして、「どのくらいの時間がかかりますか」とたずねたいので、疑問詞How longを先頭に置いた疑問文を作りましょう。
このとき、質問した本人である私が空港に行くまで、というのはわかっていることなので、takeの後にmeをわざわざ置かなくても構いません。
その代わり、「どんな交通手段で」を表すby〜が文末に置かれます。
とても使い回しの効くフレーズなので、ぜひ海外旅行で使ってみてください!
make it a rule to + 動詞の原形
「〜することにしている(習慣にしている)」
これが先にお伝えした形式目的語のitとmakeがセットになった表現です。
makeも後ろに目的語のOと形容詞か名詞の補語Cを続けることができ、「OをCにする」という意味が作れます。
そして習慣にしていることを目的語の位置に置きますが、to+動詞の原形で表すことによって長くなってしまうため、形式目的語のitに置き換えて、to+動詞の原形の部分を後ろに回すと、この構文の形になるというわけです。
★入試問題にチャレンジ
foundの後にit difficultと続いていますね。
itが目的語のOで、difficultが補語のCにあたります。
本来の目的語の位置に置かれるものはto+動詞の原形の形ですが、それは長くなってしまうのを避けるため後ろに回されるので、答えはto explainとなりますね。
The teacher found it difficult ( to explain ) her kid’s action.
「彼女は子どもたちの行動を説明することは難しいと分かった。」
まとめ
いかがでしたか?
意識して英文を読んでみると、いたるところにitが登場していることに気づくと思います。
それだけ、代名詞のitや形式主語のitは非常に登場頻度の高い表現なのです。
したがって、長文問題だけでなく英作文を書くときにも、itが使いこなせるようになればライティングの質が格段にアップします。
また、構文にもよく使われていて使い回しも効きますので、ぜひ覚えておきましょう!
あれもこれも実は数えられない名詞!不可算名詞の本質を理解するポイント【ここで差がつく!文法解説シリーズvol.2】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
前回の記事では数えられる名詞がひとつの場合は頭に冠詞のa/anがつくことをお伝えしました。
名詞の個数が1つで、その会話に初めて登場したりする場合に、a/anを名詞の前に忘れずつけるようにします。
a pen, a book, an orange ... 慣れてしまえば、a/anを置くだけなのでカンタン!
…なのですが、名詞の個数だけでなく、実はもうひとつ注意すべきポイントがあります。
この冠詞のa/anは、その後に続く名詞が「数えられる名詞」でなければなりません。
つまり、その名詞が「数えられる名詞」なのか「数えられない名詞」なのかをきちんと自分自身で判断していかなければ、うっかり使い方を間違ってしまうこともあるのです。
単語を覚えていくときに、意味だけでなく、数えられるかどうかも覚えないといけないということでしょうか?
いいえ、そんなことはありません!
実はほとんどの名詞が「数えられる」「数えられない」両方の意味を持っています。
それなら、「数えられる・数えられないの区別が必要でも、どちらにせよ名詞としての働きは同じだから、あまり影響ないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、実際は明確な使い分けが求められる場面が意外と多いのです。
例えば、英語検定などを受検する場合、一次の筆記試験において与えられたテーマで80〜100語ほどの英作文を書かなければなりません。
そのような英作文で、本当はa/anが必要な名詞なのに抜かしてしまったり、逆に必要ないのにつけてしまったり…というような間違いは非常に多く見られます。
冠詞のミスがあれば減点される可能性もありますので、出来る限りそのようなミスは防いでいきたいですよね。
数えられる名詞かどうかは、文脈や用法によって使い分けることもありますが、ある基準によって判断することもできます。
今回は、「数えられる名詞」なのか「数えられない名詞」なのかを見分けるポイントについてお伝えします。
1. 名詞の種類
名詞の種類には大きく分けて可算名詞・不可算名詞の2つに分かれます。
● 可算名詞=数が数えられる名詞
可算名詞は個数によって注意が必要です。
1人または1つなら「単数」で、名詞の前にa/anをつけ、単数扱いされます。
2人以上または2つ以上なら「複数」で、a/anはつけない代わりに名詞の語尾に-s/-esをつけて、複数扱いとなります。
● 不可算名詞=数が数えられない名詞
日本語では、名詞を数えられるか数えられないかで分けることはあまりしないので、英語の不可算名詞の「数えられない」という考え方には、最初は戸惑う人が多いかもしれません。
英語の不可算名詞は、冠詞のa/anが前についたり、語尾が-s/-esに変化したりすることはありません。また、原則として単数扱いします。
身の回りにたくさんの「もの」があると思いますが、どれが可算名詞でどれが不可算名詞か区別できますか?
日本語の感覚だと全てが数えられるような気がしますね。
ですが、不可算名詞は案外たくさんあって、「これも数えられないの?」と思ってしまうような意外な名詞も中には含まれています。
そうなると、可算名詞か不可算名詞かを見分けるのは難しく感じてしまうかも知れません。
しかし、今回お伝えするポイントを基準に考えると、すぐに判断ができるようになります!
2.「数えられる」か「数えられないか」を見分けるポイント
「数えられる」か「数えられないか」を見分けるには、その名詞の形(形状)に注目してください。
名詞のうち、「そのものの一定のイメージが誰にとっても思い浮かびやすく、形やサイズがある程度定まっているもの」は「数えられる」と判断します。それを可算名詞と呼びます。
それに対し、英語で「数えられない」と捉える名詞は不可算名詞と呼ばれ、不可算名詞と判断される名詞の形(形状)には、以下のような特徴があります。
✔︎ 形が定まらないもの
✔︎ 目には見えないもの
上の2つの基準に当てはまるものは基本的に数えられない名詞となります。
ただ、不可算名詞でもその数について言いたい時があります。
そんなときは、不可算名詞を数えるための表現を付けてあげると、ひとつ・ふたつと数えられるようになります。
では詳しくみていきましょう。
① 形が定まらないもの
例えば、金属・素材・材料・食材・液体などがこれに当たります。
なぜこれらが「形が定まらない」と言えるのか、次のように考えてみましょう。
● 金属
高熱で溶かしていろいろな形に固める物質ですから、一定の形はないと言うわけですね。
★数え方
金属自体をあまり数えることはないかもしれませんが、例えば「金の延棒」などはbarで数えます。
● 素材
素材といえば、洋服の素材となる布地などが思い浮かびます。
布地は何を作るかによって必要なサイズが変わってきますから、カットの仕方によって長さや幅が異なりますよね。
★数え方
meterなどの単位で数えます。
● 材料
例えば、料理の材料で砂糖や塩、小麦粉など粉状のものがありますね。
さすがに粉末状のものを1粒ずつ数えるわけにはいきませんので、これらは形状的に数えることは不可能ですね。
gramなどの単位で数えたり、スプーンやカップなど、それを入れる容器で数えたりします。
● 食材
パンやケーキ、チーズ、バターなど、もとの形状がかたまりだったものは切り方によってサイズが定まっているものではありませんよね。
切ってしまうとサイズがバラバラになってしまうため、1個、2個とは数えられなくなります。
★数え方
物によって表現が異なりますが、たいていは「切り分ける」ことを想定して以下のように数えます。
パンは薄く切り分けますのでa slice of 〜で数え、ケーキは1片に切り分けるのでa piece of 〜を用いて数えます。
● 液体
液体状のものは一定の形がありませんので数えられません。
★数え方
その液体を入れる容器で数えます。a cup of 〜やa glass of 〜、a bottle of 〜などで数えます。
② 目には見えないもの
存在はしているけれど、姿・形が目に見える形ではないものを表す名詞は「数えられない」と捉えます。
物の様子を言い表した名詞や概念、考え方を表す名詞がこれにあたります。
● 物事の性質や状態
美しさ、静けさ、平和、価値、平等…など物の様子や状態を表す名詞は、形として目に見える物ではありません。英語では「数えられない」と判断します。
● 思考
知識、気楽さ、知恵…など、人の頭の中にあるものは目に見える形がありませんね。
● 感情
楽しみ、怒り、幸福、優しさ…など、人の気持ちや感情を表すものは目には見えませんね。
これらの名詞はあまり数えることがありませんので、基本的には何もつけないで文中に登場することが多いように思います。
ここから差がつくポイントです!
★意外な不可算名詞
これまで、可算名詞・不可算名詞を判断するポイントをお伝えしてきました。ほとんどの場合はその形(形状)に注目することで区別がつきます。
しかし、やはり日本語のイメージが先行してしまいますので、どうしても形だけで判断がつきづらいものがありますよね。
「え?これも不可算名詞?」という名詞も結構たくさんあります。
「数えられる名詞のような感じがするけど、実は数えられない名詞だった」という意外性が、試験で狙われるポイントとなります。
そのような間違いやすい名詞を以下にまとめておきますので、ぜひ覚えておきましょう。
✔︎ money
「お金」にはお札と硬貨がありますよね。これらを総称してmoneyと呼びます。したがって、money自体は形状が定まらないものとされています。
✔︎ paper
コピー用紙を思い浮かべてください。
A4やB5など、様々なサイズが存在していますよね。ということは、形(サイズ)が定まらない名詞となります。
数えるときはa piece of 〜/ a sheet of 〜で数えます。
● これも覚えておこう!
paperは可算名詞として使うこともできます。
可算名詞として使われるpaperは「新聞」や「論文」の意味です。
✔︎ advice
人からもらう「助言」は目には見えません。
しかし日本語ではアドバイスはひとつ・ふたつ…と数えますので、案外たくさんの人が間違えてしまうポイントになっています。
数えるときはa piece of 〜で数えます。
✔︎ homework
「宿題」も一見数えられるような感じがします。
しかし、宿題の量はそのときによってバラバラで、どんな形式で宿題が出されるかも定まっていません。
したがって、こちらも不可算名詞となります。
数えるときはa piece of 〜で数えますが、たいていは「たくさんの」の意味のa lot of 〜やmuchをつけて量の多さについて言うときがほとんどです。
✔︎ information
「情報」も、日本語の感覚につられて間違えてしまう人がたくさんいます。
正しくは不可算名詞で、a/anをつけたり、informationsとなることはありません。数えるときはa piece of 〜で数えます。
ただ、この名詞も上のhomeworkと同様、a lot of 〜やmuchをつけて「たくさんの情報」とする場合が多いように思います。
✔︎ work
このworkは様々な意味を持っていますが、「仕事、労働、任務、作業」の意味のworkは不可算名詞です。
仕事や作業をやっている姿は目に見えても、その内容には様々なタスクが含まれていて形が定まらない名詞と考えられます。
間違わないように気をつけましょう。
これも、「たくさんの仕事」のようにその量について述べるときがほとんどで、much work / a lot of workで表します。
✔︎ news
こちらも数えてしまいそうになりますよね。実際に、間違って覚えている生徒が本当に多いんです。
newsの語源はnew thingsで、もともとが複数で使われていた名詞が縮まってnewsというひとつの単語になったという説があります。
そんなわけで、newsについては単数形にも複数形にもしない、つまり数えない名詞になったというわけです。
数えるときはa piece of 〜で数えます。
★入試問題にチャレンジ
選択肢に共通している名詞はadviceです。
adviceは日本語につられて間違いやすい不可算名詞でしたね。
英語では数えることはできませんので、advicesのように複数形にはなりません。
また、「たくさんの」という語で修飾したい場合は、manyではなくmuchを使います。
したがって、My father never gave me ( much advice ). 「父は私にアドバイスを全然くれなかった」が正解となります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は特に重点的に覚えておいていただきたい語をいくつかピックアップしてお伝えしました。
日本語には「数えられない名詞」という感覚があまりないため、最初のうちは判別に苦労するかもしれません。
しかし、最後の方でご紹介した通り、不可算名詞は大学入試の問題になりやすい側面も持っています。
さらに英作文などでもうっかり複数形にしてしまうという間違いも多くみられる単語ばかりです。
細かい所ではありますが、今回のポイントをしっかり理解して、試験で出題された時も間違うことなく確実に得点につなげていきましょう。
簡単そうで意外と使い分けが難しいa/anとtheを理解しよう【ここで差がつく!文法解説シリーズvol.1】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
英語を学ぶ上で文法理解は欠かせません。みなさんも学校・塾の授業や自主学習で必ず文法の勉強をしていると思います。
ただ、文法となると堅苦しくてとっつきにくい印象がありますし、中にはややこしくて難しい文法もたくさん存在します。
ですが、複雑であればあるほど、試験の問題になりやすいという側面があります。
ということは、どんな英文法でも出題されやすいポイントを理解しながら学習すると、効率よく英文法のインプットができる上、自然と試験の点数もアップするということなのです!
しかし、やみくもに英文法学習を進めていっても、どれが「試験の問題になりやすい文法ポイント」なのか、自力で気づくことはできません。
そこで、高校英語教師10年目であり、ほぼ毎年のように高3生の受験英語指導にあたってきた私の視点から、試験問題となりやすい英文法ポイントをみなさんにお伝えしていこうと思います。
学校のテストを作っている先生たちがどんなところに目をつけて問題を出しているのか、こっそりご紹介しますね。
英文法を参考書にそって基礎から学んでいる人も、ひと通り頭には入っているがイマイチ成績が伸び悩んでいる人も、「ここで差がつく英文法」のポイントを押さえておけば、必ず実力アップにつながるはずです!
「ここで差がつく英文法」シリーズとして、今回は簡単なようで意外と難しい冠詞a/anとtheの使い分けについて説明したいと思います。
1. a/anもtheも基本は名詞の前につく冠詞
a/anもtheも「冠詞」と呼ばれるもので、その名称の通り、名詞の先頭に冠(かんむり)のように付くものです。
a/an は数えられる名詞(可算名詞)の個数がひとつのとき、その名詞の頭につけます。
発音が母音(a, e, i, o, u)で始まる名詞にはanがつき、子音(a, e, i, o, u以外)で始まる名詞にはaがつきます。
waterやmilkなどの数えられない名詞にはa/anはつかないので気を付けましょう。
waterは数えられない名詞ですので、それが入る容器、つまりコップの数で数えるようにします。
一方、the は子音で始まる名詞の前では[ðə]、母音で始まる名詞の前だと[ði] と発音します。
a/anと違って、数えられる名詞と数えられない名詞、単数形・複数形問わず、どの名詞の前にもくることができます。
2. a/an の基本
① 不特定のひとつ
「いくつもあるうちの不特定のひとつ」を指すのがa/an です。
この英文は「リンゴが欲しい」という意味ですが、リンゴはリンゴでもanがついたappleは「特定されていないリンゴ」という意味合いを含んでいます。
したがって、これを発言した人は、「なんでもいいからリンゴがひとつ欲しい」という意味の発言をしているということです。
一方で、次のような場合はa/an ではなく、theが用いられます。
the については、後の項目で詳しく説明します。
② 初めて登場する名詞につく
また、会話の中で初めて登場する語につくこともあります。
上の会話では、Aさんはペットを飼っているかどうかたずねていますので、Bさんが犬を飼っていることは知りません。
その質問に対してBさんがYesで答えて、初めて犬を飼っていることを話していますね。初めて話に出てきた「犬」に対しては冠詞のa/anがつきます。
3. the の基本
① お互いの共通認識があるもの
名詞の前にtheがつくときは、話し手にも聞き手にも特定できるものである必要があります。
つまり、お互いの頭の中で、同じものが思い浮かんでいれば、それはtheが付く名詞となるのです。
次の会話文を見てみましょう。
最初に出てくるdogは話の中で初めて登場するものなので、冠詞はa がついています。
そして、Bさんの発言で2度目に出てくる場合はお互い同じ犬を思い浮かべている状態、つまり共通認識がある状態なので、冠詞はtheがついて「(2人の間で特定された)その犬」となります。
② 状況から特定できるもの
次の( )にはa / an / the の3つのうち、どれが入るでしょうか?
ここでは「2人が同じ部屋にいる状態」という部分がポイントです。
一緒にいる状態であれば、開けたいのはどの窓なのか特定できるはずですよね。
ということは、Open ( the ) window, please. が正しい答えとなります。
このように、会話の中で初めて登場する名詞の場合も、その場の状況で共通認識があると判断できる場合は、theをつけるようにします。
もしここで Open a window, please. とすると、「どこでもいいから窓をひとつ開けて」という意味になりますね。
さて、ここからが差がつくポイントです!
✔︎ 「〜につき」のa/an
a/anは「ひとつの〜」という意味だけではありません。
「〜につき」という意味を持っています。
このa/anも名詞の前に置かれるものです。どのように見分けたらよいのでしょうか?
この意味のa/anは「(1つの)単位ごとに」というニュアンスを持ちますので、この後には単位を表す名詞が続きます。
また、ほとんどの場合、その前に数詞(数字を含む語句)が置かれます。
weekは週を表す単位で、twiceは回数を表す数詞ですね。
「一週間につき2回」つまり、「週2回」という訳になります。
ちなみに、the supermarketとなっているのは、買い物に行くスーパーマーケットが決まっていることを意味します。
a supermarket だと、「週に2回スーパーマーケットには行くけれども、特に決まったスーパーではなく、とりあえずどこかのスーパーに買い物に行っている」というニュアンスになります。
✔︎ 形容詞の前につくthe
the は名詞だけでなく形容詞(ものの様子や状態を表す語)の前にもつくことがあります。
the+形容詞=「(特定の)人々」と訳します。
「どんな人々」かは形容詞によって変わりますので、他にも色々な表現にアレンジできます。
ただし、どんな形容詞でも組み合わせられるわけではありませんので、上で挙げた形容詞との組み合わせを主に覚えておくと良いと思います。
また、文の中で用いるときは、複数扱いであることに注意しましょう。
では、練習問題です。( )を英語に直して英文を完成させましょう。
This road is for( 目の見えない人たち ).
... 「目が見えない」という意味の形容詞と組み合わせますので...
答えは( the blind )ですね。もちろんthe blind peopleでも同じ意味となります。
まとめ
a/anとtheは簡単なように見えますが、それぞれにきちんと意味があり、明らかな違いがあります。
細かいところも取りこぼしがないように正確な文法知識を身につけ、その知識にしたがって考えることができるようになれば、英語の力はぐんぐん伸びていきます。
それにはまず理解してインプットをすることが必要です。
インプットすることで、頭の中にどんどん英文法の引き出しを増やしていくのです。
最初は誰もが英文法には苦労するものですが、ひとつひとつ丁寧に理解してアウトプットも意識しながら進んでいけば、必ず実力アップにつながります。
一緒に頑張っていきましょう!
使い方次第でみるみる成績アップ!学習効果の高いノートを作ろう
こんにちは。現役英語教師のサーです。
毎日学校で授業を受けるときに欠かせないアイテムであるノート。
授業だけでなく、自分自身の勉強用としても使っている人が多いと思います。
みなさんはどんなノートの使い方をしているでしょうか?
授業では主に先生が黒板に書いたことを書き写したり、問題を解いたりして使っていると思います。
他にも、暗記したい単語を何度も何度も書いて覚えるために使ったり、問題集を解くときに解答を書くために使ったり…
人それぞれいろんな使い方があると思いますが、「単に何かを書くだけ」で終わってしまってはいませんか?
確かに暗記のときはとにかく書いて覚えたいという人もいると思います。
しかし、このように暗記のために使ったノートを後で見返すことはありますか?
実際、ほとんど見返すことはありませんよね。
ノートは、使い方次第で実力アップのための強力な武器となります。
大学合格者の約70%が、ノートを受験勉強のアイテムとして活用していたそうです。
合格を勝ち取るためにも欠かせないノートですから、ぜひ日常の学習から有効活用していきたいですよね。
今回は高い学習効果が期待できるノートの活用方法についてお伝えします。
1 ノートを使う目的
ノートを使う最大の目的は、「知識量を増やす・理解を深める・試験での正答率を上げる」ことです。
また、そのノートを繰り返し見返して、復習に役立てます!
そうすることで、ポイントや要点を押さえた効率の良い学習ができます。
先に述べたような単語や問題の解答を「書くだけ」のノートは、確かに単語を覚えたり、問題を解く解答用紙代わりになったりと、その時は役に立っているかもしれません。
しかし、結局は単語を覚えたら終わり、問題の答え合わせをしたら終わり…
その後、見返したりすることはありませんよね。
したがって、後で見返してもあまり意味のないノートは、最終的には単なる「紙の束」となってしまうのです。
2 効果的なノートの作り方とは?
「知識量を増やす・理解を深める・試験での正答率を上げる」ためには、次の3種類の目的でノートを作り分けると効果的です。
① 要点整理ノート
主に英文法などの知識をインプットする際は、さらに理解を深めるために要点整理ノートを作るといいでしょう。
要点整理ノートとは、その名の通り参考書の要点をまとめたものです。
参考書にそって文法の知識を理解しようとするとき、内容があまりにも多すぎてノートにまとめる作業を省いてしまう人もいます。
しかし、ノートにまとめる作業は省略してはいけません!
理解したい内容は絶対に自分の手でノートにまとめることをおすすめします!
目で参考書の文字を追うだけではなく、手で書くという作業をプラスすることによって、頭に残りやすくなるからです。
しかし、丸写しはもちろん効果はありません!
必ず自分の言葉を使ってノートにまとめることを意識してください。
いったん頭で理解した内容を自分の言葉でまとめ直すことによって、理解をさらに深めることができ、記憶に残りやすい知識となります。
参考書などは、たいてい重要ポイント部分の説明は太字になっていたり、文字の色が黒以外になっていたりするなど、何らかの形で強調されています。
その部分の例文や説明文をノートに書き写すだけでなく、大事だと思うところに吹き出しなどのイラストをつけてコメントを書き加えたり、すでに前に習っている知識と関連づけたりして、後で自分自身が見つけやすいようにしておくと良いと思います。
後に見返す自分に対して「大事なポイントはここ!」と教えてあげるつもりで要点を整理していきましょう。
② 弱点ノート
問題を解いた後、答え合わせだけで終わってしまっていませんか?
解いて復習もせずに放置していては、また同じ間違いを繰り返してしまうかもしれません。
弱点ノートとは、そのような解けなかった問題を集めたノートのことです。
問題を解いた後や、定期試験、模擬試験を受けた後は、弱点ノート作りに取り組みましょう。
解いた問題の中で間違った問題をピックアップします。できれば、その問題をコピーしてノートに貼り付けておきましょう。
英文の日本語訳や問題を解く際の注意点をノートに書きながら、自分自身がどこで間違ってしまったのかを把握するようにします。
「なぜ間違ってしまったのか?」その原因を追求してください。
例えば、長文問題の中で読めなかった英文があった場合、何が読めなかった原因なのかを探ってみましょう。
単語の意味がわからなかったことが読めなかった原因であれば、わからなかった単語を調べて1ヵ所にまとめて書いておきます。
そうすれば、弱点だった単語がひと目でパッと復習できます。
また、文法問題で解き間違えたものに対しては、文法の何が理解不足だったのかを把握します。
参考書や自分自身の要点整理ノートに戻り、十分に理解できるまで見返してください。
③ 暗記ノート
英単語を覚えるときに、どうしても覚えにくい単語や意味がすぐに思い出せないものはありませんか?
綴りや意味が似ていて紛らわしい単語もたくさんありますよね。
自分自身の苦手な単語をまとめるノートが暗記ノートです。
そのような単語を1冊にまとめておくと、重点的に効率よく単語を覚えることができます。
暗記したい部分を赤やオレンジのペンで書いておくと、暗記用の赤シートで隠すこともできますね。
自分だけのオリジナル単語帳を作るという感じです。
ノートは小さめのものを選びましょう。
そうすればいつでも持ち歩くことができ、スキマ時間にカバンから取り出して単語の勉強ができます。
まとめ
いかがでしたか?
確かに、ノートを作るという作業は時間も労力もかかりますから、簡単なことではありません。
しかし、かけた時間と労力の分、結果となって自分に返ってくるはずです。
勉強には欠かせないノートですから、有効に活用すればさらに成績アップも期待できます。
これらのノートの効果を最大限に引き出すには「復習を意識する」ことがポイントです。
例えば、模擬試験などの直前にこれらのノートを見返せば、文法の要点確認やもう一度見返しておきたい単語をいっぺんに復習することができるので、非常に効率的です。
また、時間をかけて丁寧に作ったノートですから、愛着も湧いてモチベーションも上がるのではないでしょうか?
作り方次第では、参考書よりも役立つ内容の詰まったオリジナルノートが出来上がるかもしれません。
上手に使いこなし、学習に役立てていきましょう!
使わないと損しているかも!スマホを英語学習に取り入れよう!
こんにちは。現役英語教師のサーです。
現代人が当たり前のように持っているスマートフォンは、携帯電話機として以外にも充実した機能を豊富に兼ね備えていて、「小型のコンピュータ」と言われていますよね。
みなさんももちろん持っていると思います。
電話以外には、主に何のために使うことが多いでしょうか?
LINEなど友達との連絡ツール、TwitterやInstagramなどのSNSツール、インターネットを利用して検索・情報収集するためのツール、ゲームアプリをダウンロードしていつでもどこでもゲームを楽しむツール…
1台あればいろんな利用の仕方ができる高機能なスマートフォンは、もちろん学習にも役立てることが可能です。
私たちの世代が高校生だった頃はガラケーが主流でしたので、本当にうらやましい限りです。
今回は、スマートフォンを学習に役立てるための方法についてお伝えします。
1 単語帳アプリ“Word Holic”に単語をまとめる
単語集を使って単語学習をした後は、単語帳アプリを使って覚えきれなかった単語をまとめていきましょう。
意味が曖昧な単語や完全に覚えきれていない単語を、まとめて一気に集中して覚え直すことができるのでおすすめです。
私が実際に使っている単語帳アプリ“Word Holic”をご紹介します。
使い方は至ってシンプルで、単語帳に取り出しておきたい英単語と意味を入力するだけです。
単語を入力後、保存をすると、以下のような画面で「単語カード」として表示されるようになります。
英単語の上を一回タップすれば、日本語の意味が表示され、瞬時に意味確認ができるような仕組みとなっています。
逆パターンで日本語→英語の暗記確認をしたい場合は、「表示設定」から日本語の意味を先に表示させることも可能です。
最初に単語をひとつひとつ入力しなければならないという点は少し面倒に感じるかもしれません。
しかし、手書きの単語帳を作るにしても、一枚一枚カードに書いていかなければならないので、実際かかる手間は同じなのです。
勉強のたびにそのつど入力を済ませてしまえばそんなに面倒な作業でもありませんし、かかる手間は同じでも、単語帳アプリを使えばその後の学習効率が圧倒的に異なります!
手書きの単語帳ではできないことができるようになるのです。
アプリ活用のメリット①
発音を聞くことができる
「読み上げ」マークをタップするだけで、その単語の音声を聞くことができます。
わざわざ電子辞書を取り出したり、音声CDをかけたりする手間が省けます。
アプリ活用のメリット②
テストを自動作成してくれる
「テスト」マークをタップすると、アプリが単語カードをランダムに並べかえて単語テストを作ってくれます。
暗記確認に役立ちますね!
アプリ活用のメリット③
単語をカテゴリーに分類して保存できる
カテゴリーに分けて単語カードを分類しておくことができます。
私は上のように品詞別のカテゴリーを作っています。
他にも問題集別で分けたり、英検などの資格試験や模擬試験別で分けて作ってみても良いと思います。
スマートフォン上に単語カードを作りだめておけば、常に持ち歩いているスマートフォンが勉強道具として活躍します。
以前ご紹介した通り、スマートフォンを使ったスキマ時間学習は、短い時間でもサッとアプリを立ち上げるだけで学習することができるので、とても効率的です。
2 Podcastでリスニング
Podcastとは、インターネット上で配信される音声を聞いたり保存したりすることのできるサービスで、いわゆるインターネット上のラジオ番組のようなものです。
様々なジャンルの音声が配信されており、その中にはもちろん英語を含めた語学学習に役立つ音声もたくさんあります。
定期的に更新される番組が多く、飽きずに語学学習を続けることが可能です。
インターネットに接続できる環境があれば、いつでも好きな番組を繰り返し聴くことができます。
利用料も無料ですので、語学の勉強をしている人にとっては最適のリスニング教材になります。
さらに、『サブスクリプションに登録』をしておくと、最新エピソードが更新されたらスマートフォンに自動的にダウンロードされるようになり、Podcastアプリ内の『ライブラリ』からいつでも聴くことができるようになります。
私がおすすめするPodcast番組 "6 Minute English" をご紹介します。
こちらはイギリスのBBC Radioから毎週木曜日に配信されているPodcastです。
東大受験生も、これを聴いてリスニング力アップを図っていたとか!
"6 Minute English"のおすすめポイントは以下の通りです。
おすすめポイント①
手軽さ
そのタイトルの通り、全てのエピソードが6分構成になっていて、空いた時間にサッと手軽に聴くことができます。
おすすめポイント②
タイムリーな話題
毎週のテーマが実際のBBCニュースから一部引用されたものなので、実践的な内容の英文に触れることができます。
最近だと、やはりコロナウイルス関連の配信が多いように思います。
おすすめポイント③
アプリと連動している
Podcastで音声を聴くだけでなく、6 Minute Englishのアプリをインストールしておくと、スクリプト(読み上げられた英文を文字にしたもの)を確認できます。
音声を聴いた後に単語の確認やシャドーイングなどの音読練習にも使えるようになっていて、非常に効果的な学習ができます。
他にも、英語学習に役立ちそうなPodcastが多数配信されています。
全て無料ですので、いろいろ聞いみてリスニング力強化に役立てましょう。
3 学習動画のオンライン視聴で知識をインプット
みなさんご存知のYouTubeには様々なジャンルの動画が日々アップされています。
特に英語学習者向けの動画はチャンネルも豊富ですので、学びたい分野のキーワードを検索をしてみるとたくさんの動画が見つかると思います。
そしてなんと言っても、役立つ動画を無料で視聴できるところが最大の魅力です。
例えば、通常ならお金を払わなければ受けられないような有名講師陣の授業動画をYouTubeで視聴することができます。
中でも特におすすめなのが、関正生先生の文法解説動画です。
例えば、苦手な人が多い「完了形」についても、理解するポイントをふまえながらスーっと頭に入ってくるような説明をしてくれます。
私も高校生の頃にこの先生の動画を見ていたら、もっと楽に文法学習ができただろうなぁと思うくらいです!
こんなおトクな動画サイトを活用しない手はありません!
スマートフォンがあれば、休み時間など短い時間でも視聴することが可能です。
また、ひとりで勉強していてわからないことがあったり、今回のように突然休校になってしまったりしても、YouTubeならいつでもどこでも視聴が可能です。
大変ありがたいサイトですよね。ぜひ積極的に学習に取り入れていきましょう。
まとめ
スマートフォンの機能は日々進化し、同時にアプリもどんどん使い勝手がよくなってきています。
今は町中いたるところでWi-Fi環境が整ってきましたし、スマートフォン1台あればどこでもインターネットに接続ができます。
「机と椅子、紙と鉛筆がなければ勉強ができない」という時代ではなくなりました。
スマートフォンを勉強のためのツールとして有効活用ができれば、勉強の効率がグッと上がること間違いなしです。
逆に使わない方が損をしてしまっているかもしれません!
あまりの手軽さ・効率の良さに、もうスマートフォンなしでは勉強できなくなるかもしれませんね。
インプット後は必ずアウトプットを!インプットした知識を使える力にするための学習アイテム【アウトプット編】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
前回の記事でインプット学習に使いたいアイテムをご紹介いたしました。
どんなことを学ぶにせよ、学習はまずインプット(知識を頭に入れること)から入ります。
しかし、インプットした知識も、そのままでは何の役にも立ちません。
使えるようにしなければならないのです。
そのためにも、勉強にはインプット後のアウトプットが必要不可欠です。
英語の勉強におけるアウトプットとは、学んだ知識を使って問題を解いたり、英文を作ってみたりすることです。
今回は、アウトプットに必要な学習アイテムとそれを選ぶポイントについてご紹介します。
★学習アイテム1
文法・構文問題集
これは学校の授業の副教材として購入しているものがあれば、それを使っても構いません。
その場合は、すでに学習済みであっても最初のページに戻って解き直していきましょう。
ただ、学校の授業で使っている教材は、すでに答えを書き込んでいたり、解答・解説が配布されていなかったりするため、自分のペースで勉強しづらいかもしれません。
この際、新しく問題集を購入するのも良いと思います。
問題集を選ぶポイントは次の点を意識してください。
✔︎ 自分の今のレベルに合っているか
どのレベルが対象であるかを必ず確認しましょう。
参考書の表紙や冒頭部分に対象レベル(高校基礎・標準・応用)や目的とする用途(日常学習用or受験用)が書かれています。
それを確認した上で、さらに中身の問題にも少し目を通しておきましょう。
あまりにも難しい単語が使われていたり、解けそうにない英作文問題が多かったりすると、途中で投げ出したくなってしまいます。
実力を伸ばすには、今よりも少し高いレベルの目標を設定すると良いと言われています。
「今の自分が少し頑張ったら解ける」くらいのレベルの問題集を選びましょう。
✔︎ 解説が丁寧かどうか
その問題集を使って自力で勉強ができるかどうかは、わからないところがあっても自分で解決できるかどうかが重要なポイントとなります。
問題を少し解き、その問題の解答・解説を見てみてください。
文法問題の解説の場合、「なぜ自分の答えが間違っていて、なぜその答えが正しいのか」をきちんと自分が理解できるかどうかが大切なポイントです。
解説が丁寧でまとまっているかどうか、自分の答えのどこをどう直せばいいかなどを意識して確認してください。
また、解説ページに重要表現などをまとめてくれているものは、インプットにも役立てることができます。解説部分をよく見て、問題集を選ぶようにしましょう。
★学習アイテム2
長文読解用の問題集
英語の試験では長文読解問題の配点が高いので、長文読解力は必要不可欠なスキルです。
学校の定期試験も英検も大学入試も、英語の試験で長文問題が含まれていないものはありません。
単語や文法を学ぶ目的も、最終的には英語の長文を読むためなのです。
✔︎ 自分のレベルに合っているか
英語が苦手な人がいきなり入試問題レベルの長文を読むことは困難です。
たとえそれが最終的に自分の目標とするレベルであっても、長文は確実に読めるレベルから始めることが大切です。
読めないレベルの英語を読もうとすると、どうしても「英語は難しい」「英語が嫌」という気持ちが無意識のうちに膨らんでいってしまいます。
最初は易しいレベルのものに取り組み、そこから徐々に難易度を上げていき、最終的に入試問題の長文が読めるまで実力をつけていきましょう。少しずつハードルを上げていくイメージが大切です。
✔︎ 自力で精読ができるか
英文を読む力を伸ばすには、丁寧に精読をすることが必要です。
精読とは、その英文中に用いられている単語や文法、構文をひとつひとつ理解し、日本語の訳と照らし合わせながら英文の構造を分析することです。
この作業によって、日本語と英語の文構造の違いを意識し、長文を読むときのコツをつかむことができます。
長文の読解問題を解くだけでなく、辞書や文法の参考書を活用し、その長文を自力で精読をしてみてください。
その際、自力で理解できない構造があれば、長文問題集の解説を活用しましょう。
スラッシュや矢印などの記号を使って丁寧に文の構造を解説してくれているものを選びましょう。
自力で精読をすることによって、長文を読む力はぐんぐん伸びていきます。
✔︎ 音声データが付属しているもの
長文の音声データがあれば、シャドーイングなどの音読練習もあわせて取り入れることができます。
音声CDが付いているものもあれば、最近はQRコードを読み取ってオンラインで音声が聴けるようになっているものもあります。
精読した英文を音読すれば、リスニング力の向上にもつながりますので、長文問題を解いた後には音読することを習慣づけてください。
★学習アイテム3
リスニング問題集
大学入試やセンター試験にリスニングが導入されて10年以上が経った今では、どんな試験にもリスニングテストは欠かせないものとなっています。
2021年から始まる大学入学共通テストにおいては、リスニングは100点の配点を占めるように変更されますね。
これからどんどんリスニングが重視されるようになっていきます。
リーディングだけでなく、リスニングの力もバランスよく向上させていかなければなりません。
リスニングの問題集も、いろいろな種類のものが出版されています。
発音の確認からスタートするような基礎レベルのものから、英検の各級に合わせたリスニング問題集、共通テストや大学入試問題のレベルの問題集など様々ですが、やはり各自の目的やレベルに合ったものを選ぶことが大前提です。
そして、問題を解いて終わるのではなく、解いた後には必ずシャドーイング(音声とほぼ同時にその英文を反復する作業)をするようにしてください。
問題集を選ぶポイントは以下の通りです。
✔︎ 解説が充実しているか
解答とスクリプト(読み上げられた英文を文字にしたもの)は絶対に必要ですが、それ以外のプラスアルファの部分をしっかりチェックしてみてください。
音がつながって聞こえるものや特殊な聞こえ方をするものなど音声的なポイントを解説してくれているものや、重要語句や重要表現をまとめてくれているものなど、インプットにも役立ちそうな問題集を選びましょう。
✔︎ リスニング問題以外の部分が充実しているか
単に英文を聴いて問題を解くだけでなく、その前後の関連学習や活動が充実しているものを選びましょう。
例えば、リスニング問題に入る前にサッと単語の確認ができるページがあったり、リスニング問題を解いた後にディクテーション(聴き取った英語を書き取る作業)の練習ができる構成になっていたりする問題集があります。
リスニング問題を解く上で必要なスキルを、いろんな手法で高めていけるような活動が含まれている問題集を選びましょう。
★学習アイテム4
英作文演習用の問題集(基礎レベル)
英作文は最初から最後まで英文を自力で組み立てなければなりませんので、自分自身が持っている単語・文法・構文などの知識をフル活用する究極のアウトプット作業と言えるでしょう。
単語や熟語、英文法をインプットした後、それらの知識を駆使して英作文に取り組むと、間違っている箇所を通じて何を復習すれば良いかを認識することができます。
そして、日本語の独特な言い回しをどのように英語で表現するのかについても英作文練習を通じて学んでいくことができます。
英作文の問題集も、基礎レベルから入試対策レベルのものまで豊富に出版されています。
英作文は英語が得意な人にとってもハードルが高いと感じるものですので、できるかぎり基礎レベルのものから取り組むとよいでしょう。
中には文法項目別に構成されている英作文問題集もあり、文法の確認も同時にできるような問題集もあります。
自分の知っている単語や文法でシンプルに表現する練習を積み重ねることから始めましょう。
まとめ
インプットとアウトプットは常にセットで勉強をしていきましょう。
せっかく時間をかけてインプットした知識も、実際に使わなければどんどん頭から忘れ去られてしまいます。
アウトプットする過程で、インプットした知識の確認をするだけでなく、足りなかった知識や応用の仕方も学んでいくことができるのです。
インプットとアウトプットの繰り返しにより、単語や文法を最終的に自分の知識やスキルとして落とし込み、どんな問題にも対応できる確かな実力を身に付けていきましょう。