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簡単なように見えてとても多機能なitの用法【ここで差がつく!文法解説シリーズvol.3】

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こんにちは。現役英語教師のサーです。

 

おそらく知らない人はいないというくらい簡単な単語のitですが、中学校で初めて習うときは「それ」と訳すように教えられましたよね。

 

itよりも前にすでに登場したものが2回目に出てくる時はitに置き換えられますので、何かの名詞の代わりとなる働きを持っており、代名詞と呼ばれています。

 

この代名詞のitですが、実は「それ」と訳されないことも多く勉強する側にとっては大変混乱しやすく、やっかいな語なのです。

 

さまざまな役割や用法があり、英文中でしょっちゅう見かけるitですが、裏を返せばそれだけ使い勝手が良いということです。

 

つまり、itをマスターしておけば、長文を読むとき、文法問題を解くとき、英作文を書くときなど、いろんな場面で応用が効くということです。

 

今回はそのitのいろいろな用法についてまとめていきたいと思います。

 

1  代名詞の基本用法

 

会話や長文において、一度登場した単数名詞や数えられない名詞を受けてitに置き換えることができます。

 

英語は同じ語を繰り返し使うことを好みませんので、itを活用することで繰り返しを避けることができ、なおかつ長くなってしまう英文もスッキリさせることがです。

 

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上会話文において、itthe writer’s new novelを指していますが、それを2回続けると文が不必要に長くなってしまいますよね。

 

話している人がお互いわかっているので繰り返す必要はありません

 

itに置き換えることで、文がスッキリするのが分かりますよね。

 

記述式長文問題の中に、itが指すものを本文中から探して日本語で答えなさい」または「本文中から英語で抜き出して答えなさい」というような問をよく見かけます。

 

このitを見抜くには、前後の英文の流れをしっかり掴むことが大切です。

 

国語の問題でも指示後の内容を問うものがあると思いますが、考え方はそれと同じです。

 

itよりも前に出てきていて、そんなに遠い位置にないものの名詞から、itが指しているものを見つけてください。

 

2  主語になるit

 

itが主語となって登場する場合がいくつかあります。

 

単純に先程の会話文のように、前に出てきた名詞を指している場合もありますが、それ以外にもitを主語にしなければならない場面がいくつかあります。

 

これらのit「それ」と訳すことはなく、文の形や調子を整えるだけの目的itを主語に置きます。

 

時を表すit

 

曜日・日付・時刻などの時を現したいとき、itを主語にして英文を作ります。

 

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天候・明暗を表すit

 

晴れや雨の天気や寒さ・暑さなどの気温、屋外の明るさ・暗さを表す時は主語がitになります。

 

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距離を表すit

 

距離について述べるときも、主語はitにします。

 

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3 形式的に置かれるit

 

このitも「それ」と訳すことはありませんが、先程と役割が異なります。

 

形式主語のit

 

「〜すること」と訳すto不定詞のまとまりが主語に置かれる場合、文の主語部分が非常に長くなってしまいます。

 

例えば、「若いうちにたくさん本を読むことはとても重要だ」という英文を作るとします。

 

主語は「若いうちにたくさん本を読むこと」ですので、それを主語にして英文を作ると下のようになります。

 

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しかし、主語というのは文の頭部分であり、その部分が大きく(長く)なってしまうと、カッコ悪い英文だとみられてしまいます。

 

それを避けるため、大きくなった頭部分を丸ごと後ろに置き、空いてしまった主語のスペースに代わりのitを置くのです。

 

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どうですか?スッキリして見えますよね。頭は小さく、体は大きく英語もスタイルが良い方が好まれるということですね!

 

そのitは本来の主語がいなくなってしまった代わりに置かれたもので、形式的に置かれただけのitなのです。それを「形式主語」と呼びます。

 

それに対し、後ろに回されてしまった本来の主語のまとまりは「真主語」という名称で呼びます。

 

これらの文法用語は、参考書や長文の解説などでもよく見られる用語ですので、ぜひ覚えておきましょう。

 

形式目的語のit

 

先程の形式主語のitと同じような考え方で、「〜すること」と訳すto不定のまとまりが目的語の位置に置かれる場合、文の目的語部分が非常に長くなってしまいます。

 

そうなるととても読みづらい英文になってしまうため、目的語の位置には代わりにitを置いて、本来の目的語は後ろに回します。

 

これが形式的に目的語の位置に置かれるだけのit、つまり「形式目的語」と呼ばれるitです。

 

ただし、この形式目的語のitは5文型SVOCの英文でのみ登場しますので、使われる場面が限られています。

 

それでは「1人で海外旅行に行くことは難しいと分かった」という英文を作ってみましょう。

 

findは、後ろにO目的語C補語(名詞か形容詞)を置くと、OCだとわかる」という意味を作ります。そのOの部分にto不定詞が来ると、このようになります。

 

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どこまでがOの目的語で、どれがCの補語なのか、なんだか分かりづらい英文ですよね。

 

そこで、先ほどと同じ手順で目的語をitに置き換えて、本来の目的語のまとまりを後ろに回してみましょう。

 

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どうでしょうか?この英文の方がSVOCがはっきりと読み取れて見た目もスッキリし、先程より分かりやすい英文になりましたね。

 

形式目的語は一見複雑なように感じてしまうかもしれませんが、第5文型を作る動詞の中でもfindの動詞と組み合わせて登場することが多く、他にはthinkmakeとともに使われます。

 

thinkと形式目的語の組み合わせた例文を見てみましょう。

 

thinkは後ろにO目的語C補語(名詞か形容詞)を置くと、OCだと思う」という意味を作ります。

 

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動詞の意味が変わっただけで、基本的な構造は変わっていませんね。

 

makeの動詞との組み合わせは後ほど紹介します。

 

主にこのfind, think, make3つの動詞との組み合わせですので、形式目的語には実はそれほどバリエーションもないのが特徴です。

 

上で取り上げた例文が理解できていれば、あまり困ることはないと思います!

 

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★itを用いた構文

 

さて、ここからが差がつくポイントです。今回は構文を取り上げたいと思います。 

 

itが用いられた構文の中で、今回の内容に関連したものがいくつかあります。その中で覚えておきたい構文をご紹介します。

 

考え方の基本は変わりありませんので、これまでの内容が理解できていれば、すんなり理解できるはずです!

 

 

It takes + (人)+ 時間 + to + 動詞の原形

「(人が)〜するのに(時間が)‥‥かかる」

 

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何かをするのにかかる時間を表す英文を作りたい時に使えます。

 

これも時を表すitが主語になっている構文で、動詞は「(時間が)かかる」の意味を持つtakeを使います。

 

itは三人称単数の主語ですので、現在のことについて述べるときはtakesの形にすることを忘れないようにしましょう。過去形だとtookになります。

 

また、動詞の後ろに人+時間を並べ、最後にto+動詞の原形を続けるという語順になることがポイントです。

 

私自身、この構文を覚えるとき、「イットテイクスヒトジカントゥーフテイシ」と呪文のように何度もとなえて覚えました!

 

呪文のように繰り返すと意外と頭に残るのでおすすめします!

 

また、この構文を疑問文にして使うと、海外旅行のときに使える便利なフレーズが出来上がります。

 

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itが主語でtakesが動詞なので、doesを使った疑問文となります。

 

そして、「どのくらいの時間がかかりますか」とたずねたいので、疑問詞How longを先頭に置いた疑問文を作りましょう。

 

このとき、質問した本人である私が空港に行くまで、というのはわかっていることなので、takeの後にmeをわざわざ置かなくても構いません

 

その代わり、「どんな交通手段で」を表すbyが文末に置かれます

 

とても使い回しの効くフレーズなので、ぜひ海外旅行で使ってみてください!

 

make it a rule to + 動詞の原形

「〜することにしている(習慣にしている)」

 

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 これが先にお伝えした形式目的語のitmakeがセットになった表現です。

 

makeも後ろに目的語のOと形容詞か名詞の補語Cを続けることができ、OCにする」という意味が作れます。

 

そして習慣にしていることを目的語の位置に置きますが、to+動詞の原形で表すことによって長くなってしまうため、形式目的語のitに置き換えて、to+動詞の原形の部分を後ろに回すと、この構文の形になるというわけです。

 

入試問題にチャレンジ

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foundの後にit difficultと続いていますね。

 

itが目的語のOで、difficultが補語のCにあたります。

 

本来の目的語の位置に置かれるものはto+動詞の原形の形ですが、それは長くなってしまうのを避けるため後ろに回されるので、答えはto explainとなりますね。

 

The teacher found it difficult (   to explain    ) her kid’s action.

「彼女は子どもたちの行動を説明することは難しいと分かった。」

 

 

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まとめ

 

いかがでしたか?

 

意識して英文を読んでみると、いたるところにitが登場していることに気づくと思います。

 

それだけ、代名詞のitや形式主語のitは非常に登場頻度の高い表現なのです。

 

したがって、長文問題だけでなく英作文を書くときにも、itが使いこなせるようになればライティングの質が格段にアップします。

 

また、構文にもよく使われていて使い回しも効きますので、ぜひ覚えておきましょう!