インプット後は必ずアウトプットを!インプットした知識を使える力にするための学習アイテム【アウトプット編】
こんにちは。現役英語教師のサーです。
前回の記事でインプット学習に使いたいアイテムをご紹介いたしました。
どんなことを学ぶにせよ、学習はまずインプット(知識を頭に入れること)から入ります。
しかし、インプットした知識も、そのままでは何の役にも立ちません。
使えるようにしなければならないのです。
そのためにも、勉強にはインプット後のアウトプットが必要不可欠です。
英語の勉強におけるアウトプットとは、学んだ知識を使って問題を解いたり、英文を作ってみたりすることです。
今回は、アウトプットに必要な学習アイテムとそれを選ぶポイントについてご紹介します。
★学習アイテム1
文法・構文問題集
これは学校の授業の副教材として購入しているものがあれば、それを使っても構いません。
その場合は、すでに学習済みであっても最初のページに戻って解き直していきましょう。
ただ、学校の授業で使っている教材は、すでに答えを書き込んでいたり、解答・解説が配布されていなかったりするため、自分のペースで勉強しづらいかもしれません。
この際、新しく問題集を購入するのも良いと思います。
問題集を選ぶポイントは次の点を意識してください。
✔︎ 自分の今のレベルに合っているか
どのレベルが対象であるかを必ず確認しましょう。
参考書の表紙や冒頭部分に対象レベル(高校基礎・標準・応用)や目的とする用途(日常学習用or受験用)が書かれています。
それを確認した上で、さらに中身の問題にも少し目を通しておきましょう。
あまりにも難しい単語が使われていたり、解けそうにない英作文問題が多かったりすると、途中で投げ出したくなってしまいます。
実力を伸ばすには、今よりも少し高いレベルの目標を設定すると良いと言われています。
「今の自分が少し頑張ったら解ける」くらいのレベルの問題集を選びましょう。
✔︎ 解説が丁寧かどうか
その問題集を使って自力で勉強ができるかどうかは、わからないところがあっても自分で解決できるかどうかが重要なポイントとなります。
問題を少し解き、その問題の解答・解説を見てみてください。
文法問題の解説の場合、「なぜ自分の答えが間違っていて、なぜその答えが正しいのか」をきちんと自分が理解できるかどうかが大切なポイントです。
解説が丁寧でまとまっているかどうか、自分の答えのどこをどう直せばいいかなどを意識して確認してください。
また、解説ページに重要表現などをまとめてくれているものは、インプットにも役立てることができます。解説部分をよく見て、問題集を選ぶようにしましょう。
★学習アイテム2
長文読解用の問題集
英語の試験では長文読解問題の配点が高いので、長文読解力は必要不可欠なスキルです。
学校の定期試験も英検も大学入試も、英語の試験で長文問題が含まれていないものはありません。
単語や文法を学ぶ目的も、最終的には英語の長文を読むためなのです。
✔︎ 自分のレベルに合っているか
英語が苦手な人がいきなり入試問題レベルの長文を読むことは困難です。
たとえそれが最終的に自分の目標とするレベルであっても、長文は確実に読めるレベルから始めることが大切です。
読めないレベルの英語を読もうとすると、どうしても「英語は難しい」「英語が嫌」という気持ちが無意識のうちに膨らんでいってしまいます。
最初は易しいレベルのものに取り組み、そこから徐々に難易度を上げていき、最終的に入試問題の長文が読めるまで実力をつけていきましょう。少しずつハードルを上げていくイメージが大切です。
✔︎ 自力で精読ができるか
英文を読む力を伸ばすには、丁寧に精読をすることが必要です。
精読とは、その英文中に用いられている単語や文法、構文をひとつひとつ理解し、日本語の訳と照らし合わせながら英文の構造を分析することです。
この作業によって、日本語と英語の文構造の違いを意識し、長文を読むときのコツをつかむことができます。
長文の読解問題を解くだけでなく、辞書や文法の参考書を活用し、その長文を自力で精読をしてみてください。
その際、自力で理解できない構造があれば、長文問題集の解説を活用しましょう。
スラッシュや矢印などの記号を使って丁寧に文の構造を解説してくれているものを選びましょう。
自力で精読をすることによって、長文を読む力はぐんぐん伸びていきます。
✔︎ 音声データが付属しているもの
長文の音声データがあれば、シャドーイングなどの音読練習もあわせて取り入れることができます。
音声CDが付いているものもあれば、最近はQRコードを読み取ってオンラインで音声が聴けるようになっているものもあります。
精読した英文を音読すれば、リスニング力の向上にもつながりますので、長文問題を解いた後には音読することを習慣づけてください。
★学習アイテム3
リスニング問題集
大学入試やセンター試験にリスニングが導入されて10年以上が経った今では、どんな試験にもリスニングテストは欠かせないものとなっています。
2021年から始まる大学入学共通テストにおいては、リスニングは100点の配点を占めるように変更されますね。
これからどんどんリスニングが重視されるようになっていきます。
リーディングだけでなく、リスニングの力もバランスよく向上させていかなければなりません。
リスニングの問題集も、いろいろな種類のものが出版されています。
発音の確認からスタートするような基礎レベルのものから、英検の各級に合わせたリスニング問題集、共通テストや大学入試問題のレベルの問題集など様々ですが、やはり各自の目的やレベルに合ったものを選ぶことが大前提です。
そして、問題を解いて終わるのではなく、解いた後には必ずシャドーイング(音声とほぼ同時にその英文を反復する作業)をするようにしてください。
問題集を選ぶポイントは以下の通りです。
✔︎ 解説が充実しているか
解答とスクリプト(読み上げられた英文を文字にしたもの)は絶対に必要ですが、それ以外のプラスアルファの部分をしっかりチェックしてみてください。
音がつながって聞こえるものや特殊な聞こえ方をするものなど音声的なポイントを解説してくれているものや、重要語句や重要表現をまとめてくれているものなど、インプットにも役立ちそうな問題集を選びましょう。
✔︎ リスニング問題以外の部分が充実しているか
単に英文を聴いて問題を解くだけでなく、その前後の関連学習や活動が充実しているものを選びましょう。
例えば、リスニング問題に入る前にサッと単語の確認ができるページがあったり、リスニング問題を解いた後にディクテーション(聴き取った英語を書き取る作業)の練習ができる構成になっていたりする問題集があります。
リスニング問題を解く上で必要なスキルを、いろんな手法で高めていけるような活動が含まれている問題集を選びましょう。
★学習アイテム4
英作文演習用の問題集(基礎レベル)
英作文は最初から最後まで英文を自力で組み立てなければなりませんので、自分自身が持っている単語・文法・構文などの知識をフル活用する究極のアウトプット作業と言えるでしょう。
単語や熟語、英文法をインプットした後、それらの知識を駆使して英作文に取り組むと、間違っている箇所を通じて何を復習すれば良いかを認識することができます。
そして、日本語の独特な言い回しをどのように英語で表現するのかについても英作文練習を通じて学んでいくことができます。
英作文の問題集も、基礎レベルから入試対策レベルのものまで豊富に出版されています。
英作文は英語が得意な人にとってもハードルが高いと感じるものですので、できるかぎり基礎レベルのものから取り組むとよいでしょう。
中には文法項目別に構成されている英作文問題集もあり、文法の確認も同時にできるような問題集もあります。
自分の知っている単語や文法でシンプルに表現する練習を積み重ねることから始めましょう。
まとめ
インプットとアウトプットは常にセットで勉強をしていきましょう。
せっかく時間をかけてインプットした知識も、実際に使わなければどんどん頭から忘れ去られてしまいます。
アウトプットする過程で、インプットした知識の確認をするだけでなく、足りなかった知識や応用の仕方も学んでいくことができるのです。
インプットとアウトプットの繰り返しにより、単語や文法を最終的に自分の知識やスキルとして落とし込み、どんな問題にも対応できる確かな実力を身に付けていきましょう。